終わりと始まり
「クオリティのいいものさえ上げてくれれば。
こないだ書いてもらった○○も良かったですし。
クオリティのいいものさえ上げてくれるんなら、
別に自分のペースでやってもらって、
全然、構いませんから」
「問題なのは、ウチに
そのくらいの時間の掛け具合で
まるっと任せられる仕事がない
ってことなんですよね。
でも、、、
『そういう仕事が準備できるまで、
ちょっと待っててください。
また連絡しますから』
って言ったら、この関係って
終わっちゃうじゃないですか」
そして、私の手元には、
自分のペースで進めて構わない、
小さな小さな、とある仕事が残った。
ちょうど、前回のコピースクールで、
「人はいろんな理由でものを買う」
なんて話したけど、ホントにそう。
関係性をつないでおきたいから、
そのクライアントは私に仕事を振っている。
こういうことって、
案外、いや、結構ある。
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もう終わりにするつもりで、
クライアントのところに
ミーティングに行ったのでした。
もう無理だ、と。
そのクライアントさんには、何の非もありません。
むしろ、すごくよくしてくださってる。本当に。
もう1年以上のおつきあいなんだけど、
ここ数ヶ月 関わっている案件が
なかなかやっかい。
なんというか… やってみてわかったんだけど、
私は、こういうの、得意じゃなかったみたい(^^;
何とかしようと、特にこの2ヶ月くらい、
かなり無理してやってみたけど、、、
想像以上に時間はかかるし、うまくできないし、
そもそも、感覚的によくわかんないし、 ← これが致命的
他のクライアントのところでもいろいろあるし、
完全にバランスを崩して、パフォーマンスがダダ落ち。
パフォーマンスがよくないのは、
水物だと捉えてもいいけど、
それに必要な行動すら出来てない。
これはダメでしょ。
先方に申し訳ないし、そんな自分も嫌だし、
もう、ぐだぐだなわけです。
そもそも、
契約書も機密保持契約書も何も取り交わすことなく、
好きなときに社内に自由に出入りし、社長と対等に話をして、
「まみさん、制作チームに何でも依頼していいっスから。
好きに使ってください」
とか言われて、そこの社員の方に仕事を振るっていう変な立場で、
(そもそも、なんでこうなったんだ? 単なるライターだったはずなのに)
それで時給換算したら、社員さんより高いギャラを受け取ってて
たいしたパフォーマンスも上がってなかったら、、、
「私、やる意味、あります?」
直球で、そのまま言ったのでした(-。-)
できてないくせに、エラそうなやつですよ。
それに対する回答が冒頭の言葉だったのでした。
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本当は、この仕事、受けちゃいけない。
それがビジネスなら。
時間とお金を投資して、
いかに多くのリターンを得るかがビジネス。
私にとっては、同じ時間で、もっと喜ばれ、
もっとわかりやすく役に立てることがある。
そして、その方がもっと簡単に稼げるから。
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でも、
そのクライアントは、
以前、私を救ってくれた。
いろんなことがあって、
完全に自信を失っていて、
「自分は実はダメなんじゃないか?
私には本当は価値がないんじゃないか」
と思っていた当時の私に、
高いギャラを提示した。
月に換算すれば、
当時の収入の5倍以上。
インセンティブは別。
「それだけ、まみさんに価値を感じてるんです。
実績とかは、なくたって別にどうでもいいんですが、
センスだけは、どうしようもないんです」
今となっては、そのギャラは全然高くないんだけど、
その言葉は私にとって、大きな大きな自信になって、
「もしかしたら、この世界で通用するんじゃないか?」
と思えた。
本当に、感謝しかない。
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私が日々やっているのは、
私が日々かかわっているのは、
実はビジネスじゃないんだと思う。
私はただ、
ビジネスを通して、大好きな人たちと、
人生を楽しんでいるだけなんだと思う。
まみ
2014年10月24日